Scar Revision (瘢痕形成術)
傷痕(瘢痕)を切除し、目立ちにくくなるように縫合する治療です。
傷痕の創縁(縫合後の辺縁)を皮膚のシワと一致させたり、創縁にかかる緊張を分散させたり、創縁の凸凹の修正・再発防止や、視覚心理的効果で外観を目立ちにくくするために、「皮弁形成術」という皮膚に切れ目をいれ移動させて縫合する方法を併用する場合があります。
【症例】

約1年前に猫に右頬を引っ掻かれてできた瘢痕です。深部まで達した傷痕は硬い瘢痕組織になり、その位置で皮膚表面と皮下の瘢痕組織は固定されてしまいます。そのため瘢痕の頭側の弛んだ皮膚が乗っかるような形になり膨らんで見えます。

手術では瘢痕を切除したのちに創縁の中央に一カ所Z形成術(三角皮弁)を行っています。

二つの三角皮弁を入れ替えて縫合し直線の傷を二つに分散させ細分化することで、光の反射で傷痕をぼかしたり、傷痕が一直線になり目立った印象になるのを防ぎ(視覚心理的効果)、さらには凸凹を改善しています。

術後の色素沈着がまだ残っています。

色素沈着は大分薄くなっています。術前にあった瘢痕の頭側の膨らみは改善しています。