YUKI皮フ科形成外科

陥入爪(Ingrown Nail)について 

陥入爪とは、爪の側縁が皮膚、軟部組織に食い込んで、痛みや炎症が起きている状態のことをいいます。炎症が長いこと続いた状態になると、不良肉芽と呼ばれる出血を起こしやすい赤い隆起物を伴うこともあります。

陥入爪写真
陥入爪イラスト

原因として、深爪、窮屈な靴の着用、マニキュアなどが挙げられますが、突然発症することもあり正確には分かっていません。爪白癬(爪の水虫)を合併していることも多くあります。⇒こちらは皮膚科で治療可能です。

よく巻き爪と混同されることがありますが、巻き爪は爪甲の曲率(指先から爪をみたときの爪の曲がり方)が増加している状態のことを指します。
陥入爪と巻き爪では、病態が異なり、治療法も異なります。
今回は、陥入爪について分かりやすく説明していきたいと思います。

まずは陥入爪について理解する上で、必要な爪の解剖についてです。
いわゆる一般的に「爪」と呼ばれている部分は、正確には「爪甲(ソウコウ)」といいます。
爪甲は、爪の母と書いて「爪母(ソウボ)」という部分で作られます。
そして爪のじゅうたん(床)である、「爪床(ソウショウ)」という部分を這うように伸びてきます。

爪解剖

治療は、足指の付け根の部分に麻酔の注射をして(趾神経ブロック)、痛みが無い状態で、陥入している部分の爪を切除します。
深爪や、窮屈な靴が原因で陥入爪が発症した場合は、食い込んでいる部分の爪を一度抜去するだけで、次回は食い込まずに爪が伸びてくる方もいらっしゃいます。
ただし、同じようにまた爪が伸びて、食い込んでしまう方には、端の爪だけ生えてこないようにする術式が必要になります。
端の爪だけ生えてこないようにする方法として、爪を作るもとになっている爪母の中で端だけを、切除するものや、薬で腐食させる方法があります。

メスや剪刀(ハサミ)などを使って、爪母を切除する「外科的な術式」があり、児島法や鬼塚法といった術式がよく知られています。
一方で、フェノールという強い蛋白腐食作用を持った薬液を、爪母の端に塗布して腐食させることにより、部分的に爪を生えなくする方法を「フェノール法」といいます。

私が所属していた東京慈恵医科大学形成外科の、二代目教授の児島 忠雄先生は、手外科領域を得意とする先生です。
児島先生が、考案された、「児島法」という術式は、日本で広く行われている陥入爪の術式になります。

児島Ⅰ法
児島Ⅱ法

私も大学病院や市中病院で働いていた頃は、この児島法を何百例も行っておりました。しかし現在のクリニックでは、主にフェノール法を行っています。
理由としては、手術だと出血が多い、術後に多少なりの痛みを伴うためです。
フェノール法では出血はほぼなく、術後の痛みもほぼありません。欠点としては、直接目でみて、爪母を腐食させられるわけではないので、再発の可能性がある点、正常の爪母、爪床がフェノールの影響を受けて爪が変形するリスクがあります。
再発のリスクを説明した上で、万が一再発した場合は、児島法を行う方針としておりますが、今までのところ当院ではフェノール法で再発した人はいません。
(もちろん初めから手術を希望される方には、手術(児島法)を行います。)
上記で説明した方法は全て国民健康保険が使用できます。

INGROWN TOENAIL

その他、陥入が軽度の場合は、テープで皮膚を引っ張ったり(テーピング法)、爪甲の下にコットンを挿入したり(コットンパッキング法)、チューブを挿入したり(Gutter法)、ワイヤーで爪甲の弯曲を矯正したり(弾性ワイヤー法 or VHO法※当院ではいずれも扱っておりません。)、形状記憶のあるプレートを爪甲に貼って矯正したり(B/Sブレイス)など、実にさまざまな治療法があります。
どれも長所短所があり、共通して言えるのは、特殊な道具を使うものは自費治療、症状が強いものにはなかなか効果がでづらい、治療を中断すると再発しやすい点です。
当院ではこれらのものでは、B/Sブレイスを皮膚科でご用意しているので、興味がある方はお尋ねください。

B/Sブレイスの詳細につきましては以下の通りとなります。

1.治療内容
形状記憶のあるプレート(ブレイス)を爪甲に貼って爪の変形を矯正

2.料金
4,500円(税抜き)

3.回数、頻度
約1〜3カ月に一度、古いブレイスを交換 変形が矯正され、陥入爪の痛みの症状がとれるまで治療を継続

4.副作用
ブレイスの逸脱、再発

Doctor Blog∼陥入爪について∼

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