YUKI皮フ科形成外科

耳介偽嚢腫(Pseudocyst of the auricle)
治療経過

一年ほど前に誘因なく突然右耳介の上半分が膨らんできて、ヘルメットをかぶる際に邪魔になるとのことで受診されました。穿刺吸引にて黄色透明の漿液性の液体を排液ししぼみますが、しばらくするとまた膨らんできてしまいます。穿刺吸引後に圧迫以外に再発予防にステロイド注入なども試みましたが、再発するため手術を行いました。内部は通常は耳介軟骨と密着している軟骨膜が剥がれて軟骨化した様になっており(まるで軟骨が2層に分かれているように)、その間の空間に液体が貯留している状態でした。表面の硬くなった軟骨膜と思われる部分を切除しています。

 

耳介は術後の圧迫が難しく血腫が非常に起こりやすい部位であるため、ドレーン留置に加えて、ボルスター固定(耳介の表と裏側から軟膏付ガーゼをロール状にして表と裏から糸で縫い付けて圧迫固定)も行っています。

 

術後1ヵ月で明らかな再発を認めておらず経過良好です。

合併症:再発・血腫・耳介変形
費用:14,190円(耳介腫瘍摘出術)
費用:(別途病理検査代3,030円)
費用:(保険適応自己負担3割の場合)
治療期間:術後約1週間で抜糸
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