皮膚・皮下腫瘍切除について(総論)
今回は当院で最も手術件数の多い、皮膚・皮下腫瘍切除術についての説明です。
形成外科の中では、多くの医師がまず始めにこの手術から経験するといって過言ではないでしょう。(保険診療の場合)
一般的な市中病院の形成外科でも、保険診療の分野では、腫瘍切除がとても多いです。基本的な手術なのですが、手術に必要な・切る(切開)・腫瘍を周囲の組織から剥がす(剥離操作)・出血を止める(止血)・傷口の中と外で縫う(真皮縫合、皮膚縫合)という要素が詰まっています。
デザインするときの基本として、切除しようとしている腫瘍が、皮膚腫瘍なのか皮下腫瘍なのかを見極めることが大切です。皮膚腫瘍は皮膚(上皮)由来の細胞で構成された腫瘍であり、基本的に腫瘍の成分の一部が皮膚とくっついています。そのため、くっついている部分の皮膚も含めて切除しないと再発します。
このように皮膚を含めて切除することをexcision(エクシージョン)と呼びます。
皮膚腫瘍の代表的なものでは、粉瘤や石灰化上皮腫という腫瘍です。
- 治療内容
- 皮膚腫瘍摘出、創部縫合
- 副作用(リスク)
- 再発・血腫・感染・創離開
- 費用
- 11,010円(皮膚腫瘍摘出術(露出部直径2〜4cm))
(保険適応 自己負担3割の場合)(別途で病理検査代 が必要) - 治療期間
- 術後約1週間で抜糸
- 治療内容
- 皮膚腫瘍摘出、創部縫合
- 副作用(リスク)
- 再発・血腫・感染・創離開
- 費用
- 11,010円(皮膚腫瘍摘出術(露出部直径2〜4cm))
(保険適応 自己負担3割の場合)(別途で病理検査代 が必要) - 治療期間
- 術後約1週間で抜糸
一方、皮下腫瘍は皮下の組織由来の細胞で構成された腫瘍であり、腫瘍の成分は皮膚とはくっついていません。そのため、皮膚の切除は必要なく、皮膚は切開を加えるだけで大丈夫です。このように皮膚を切除せずに切開を加えるだけのことをincision(インシージョン) と呼びます。
皮下腫瘍の代表例では、脂肪腫という腫瘍です。
- 治療内容
- 前頭筋下の皮下腫瘍摘出、創部縫合
- 副作用(リスク)
- 再発・血腫・感染・知覚障害・創離開
- 費用
- 11,010円(皮下腫瘍摘出術(露出部直径2〜4cm))
(保険適応 自己負担3割の場合)(別途で病理検査代 が必要) - 治療期間
- 術後10〜14日で抜糸
- 治療内容
- 帽状腱膜下の皮下腫瘍摘出、創部縫合
- 副作用(リスク)
- 再発・血腫・感染・創離開
- 費用
- 13,080円(皮下腫瘍摘出術(露出部直径4cm以上))
(保険適応 自己負担3割の場合)(別途で病理検査代 が必要) - 治療期間
- 術後10〜14日で抜糸
よく患者さんの中にも医師の中にも、できものは何でも粉瘤と言ったり、脂肪腫と言ったり、言われたりされているのを目にしますが、このような視点で、このできものは皮膚とくっついているのかな?と考えてみるとまた違った見方ができるかもしれませんね。